1年2ヶ月ぶりにマーキスの川口さんにお会いしてきました。
そうです。待ちに待ったビスポーク靴の仮縫いです。4月には連絡が来ていたのですが、コロナの影響でなかなか行けませんでした。
靴の仮縫いは人生初。今回もとても貴重な体験となりました。
若干の緊張感を持ちつつ工房にお邪魔しましたが、もれなく満面の川口さんスマイルで出迎えていただき、そこからはリラックスして行うことができました。
仮靴
軽くご挨拶を交わしてから早速仮靴を履いてみます。
アッパーは本番用の革ではなく仮靴用の革でした。
履いてみるとなんとも自分の足が小さく見えること。
仮靴でコバの張り出しがないからとはいえ、これは驚きでした。
なるべく靴が小さく見える方がエレガントだと思っていますが、これは正にその通りです。自分史上1番小さい。
聞くと川口さんもなるべく小さくなるように心掛けているとのことで、もうこのフィーリングだけで嬉しくなっちゃいました。やはりマーキスを選んで正解です。
次に、工房内を歩き回り改善点を探ります。今回は予め用意されていたストラップの穴が左足だけタイトだったので、その場でもう1つ空けてもらってフィッティングしました。
あまり感覚が澄んでる方ではないのですが、全神経を足に集中させて改善点を絞り出しました。
・左足の小指付近のアタリ
・右足カカト内側の抜け感
正直この段階で手持ちの既製品とは比べ物にならないくらいジャストフィットでしたが、上記の2点を修正してもらうことに。
1足目からスリッポンで申し訳ないと思っていましたが、とんでもない精度で上がってきそうな雰囲気がビンビンします。
次は写真でよく見る銀ペンでの書き込みと切り込み。
つま先を切り込んでまたまたビックリ。捨て寸があまりに短い。これが靴が小さく見える要因の1つのようです。
恐らく既製品だと捨て寸がこの倍はあると思いますと仰っていました。
これが正にビスポークなんだなーと実感するとまた嬉しくなってきました。
仕様確認
入念にフィッティングを確認した後は仕様のチェックです。
お願いしていた革のバンチを見ていたら、実はすごいスエードがありまして・・・と一頭分の革を見せてくれました。
詳細は不明らしいのですが、見るからに上質な小さな子牛の銀付きスエードです。
まるでベルベットのように光っており、毛足が短すぎる故にどの方向に撫でても色が変わりません。こんなスエードは初めてです。
当初予定していたスエードより濃い茶色でしたが、ここまで来たらもう抗えません。これでお願いしますと脳の指令よりも早く口から言葉が出ていました。
ストラップのバックルは革に合わせてアンティークゴールドで。いくつか種類があり、アップチャージがかかるモノもあるそうです。
カラーライニングが好きなのですが、あまり作られていないとのことで今回は標準仕様のまま。ベージュ系の予定です。
あと、靴の雰囲気に合わせてよりストイックな方がエレガントな気がして、お願いしていた、ソールのイニシャルの釘打ちをやめました。見えない部分とはいえ、なんとなくその方が美しい気がします。
ヒールはシームレスをお願いしていましたが、子牛の革が小さいので難しくなるかもってことで、そこはもうお任せにしました。
ちなみにシームを内側にズラしてシームレス風にするのもやってないそうです。
仮縫いとはいえかなり具体的な形が見えてきてテンション上がりっぱなしで、気が付いたら1時間半も話し込んでいました。お忙しいのにすいません。
次回、納品は当初の予定通り今年の10月頃だそうです。
注文したときは納期1年半は長いなーと思っていましたが、あっという間にもう少しのとこまで来ました。
スムーズに受け取れるようお金貯めます。