タイトルにもあるとおり、以前、思いつきで生地を4枚購入しました。
スーツ用3枚、ジャケット用1枚です。
もう購入してしまったので1着ずつ作ってもらおうと思っているのですが、本当のところあまり推奨いたしません。
というか普通に避けた方がいいです。
なぜ推奨出来ないのか、順番に書いていきたいと思います。
テーラーにて気が付いた
普段、お世話になっているテーラーがあります。(まだ2着しか作っていませんが)
そこは仕立て代金+生地代金という料金体系になっており、生地のグレードを下げればその分の料金を抑えてビスポークすることができます。
ここで私は思いつきました。
「どこかで生地を手に入れられれば仕立て代のみでビスポークできるんじゃ・・・」
今思えば、まったく貧しい考え方なのですが、思ったら吉日、すぐにヤフオクで新品の生地を落札しました。
ドーメル、スキャバル、ゼニアなどで検索すると未使用の生地がそこそこ出てきます。
スーツの場合、必要となる生地の量は幅1.5m×長さ3m。
ジャケットの場合は幅1.5m×長さ2mです。
生地は本当にピンキリですが、1万円以下のモノから数十万円のモノまであります。
私は素人なので、とりあえず聞いたことのあるメーカーで1万円前後のモノから選びました。
テーラーに聞いてみた
ざっくりとこんな風な会話が行われました。
今思うと本当に恥ずかしいです・・・(器の大きい方でよかった)
推奨しない理由その1
持ち込みの場合、上記の量があれば作ることは可能ですが、悪い部分を避けたり、柄合わせなどによって微妙に生地が足りなくなってしまうことも稀にあるようです。
そうするとお店のストック生地から保証するようになるので、これは完全にお店にとって損失です。
他のテーラーではお客さんが保証内容に納得出来ず、トラブルに発展してしまったこともあったとか・・・
このようなトラブルを回避するうえで、初めてのお客さんからの持ち込みは断っているそうです。
やはり、持ち込みにはある程度の信頼関係がないとテーラー側にとってはリスキーです。
わざわざお店にリスクを背負ってもらってビスポークするのはとても紳士的とは思えません。
推奨しない理由その2
そもそもこのような料金体系である以上、大まかな話、テーラーにとって利益を出せる部分は生地代金のみになってきます。
ここのテーラーでは、お仕立て代は非常に良心的な値段に設定されています。
フルハンドでも、各地で人気の1着30万~60万するような金額ではありません。
そのため、生地代で利益を出さなくては儲けが出にくくなってしまうのです。
やはり、腕のいいテーラーさんにはしっかり儲けてほしいですし、なによりお店が続かなくなっては大変です。
よっぽど希少な生地ならまだしも、利益が出ない仕事ではテーラーもやる気が上がらないと思います。
生地を持ち込むということはお店の利益を奪ってしまう行為になりかねないので、このような観点からも推奨できるものではありません。
まとめ
以上が生地の持ち込みを推奨しない理由となります。
私はいかに安くビスポークするかばかり考えていましたが、そもそもそういう人はビスポークに向いていないと思います。
大体のイメージを伝えて、「あとは任せるからよろしくね」って去っていき、完成したら惜しみなく代金を支払うくらいでないと本当の紳士にはなれないでしょう。(イメージ図)
若いうちにこういうことが学べてよかったです。
以上のことはインスタで知り合った素敵な紳士に教えてもらいました。
もし、同じ考えの方がいたらこれを参考にまずは生地を購入するのをやめましょう。
結論 財布も心も貧乏なうちはビスポークなんてするな!